花の名前と物語/イラスト雑記帳

カテゴリ: > 黄色の花

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タンポポ(蒲公英)/キク科タンポポ属
在来種と帰化種 別名フチナ、グヂナ、ツヅミグサ(鼓草)
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「タンポポ」は以前は「鼓草(ツヅミグサ)」と呼ばれていました。そう呼ばれたのは蕾が鼓に似ているということと、子どもがタンポポの茎で鼓の形を作って遊んだことからです。
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①〜③タンポポの茎を折って、両サイドに切れ目を入れると鼓の形になります。②水をつけると早くそりかえります。④真ん中に棒を通して息を吹きかけるとくるくる回ります。また、上から水をかければ水車になります。タンポポから出る乳液で手がベタベタになりますからご注意を。

「鼓草」が「タンポポ」に変わったのは、江戸時代の戯作者(小説家)が本に書いたことから世間に広まったようです。それ以前に子どもたちが面白がってそう呼んでいたという話もあります。鼓を強く打つと「タン」、小さく2回打って「ポ、ポ」です。シャレですね。電子レンジを使う時に「チンする」というのと同じことです。

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カタバミ(方喰)/在来種/春〜秋/カタバミ科カタバミ属

キーボードで「カタバミ」と入力すると「方波見」「酢漿草」は変換候補に上がりますが「片喰」は出てきません。でも私は「片喰」を強く推したいと思います。その理由として、まず「方波見」は珍しい名字の一つで、漢字は水に関連したもののように思われます。次に「酢漿草」は酸っぱい草という意味で、その酸っぱさは「シュウ酸」が含まれているからです。この「シュウ酸」はほうれん草などにも含まれています。植物の性質を正しく説明した名前なのですが、完全に当て字です。その点「片喰」は「片方を喰(は)む=食べる」で「かたばみ」ですので漢字を正しく読んでいます。では、この漢字の表す意味はなんでしょうか。
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カタバミの葉はハート型をしています。けれどよく見ると中央が少しへこんでいます。普通はほとんど目立ちませんが、暗くなったり雨が降らない日が続くとだんだんと閉じていきます。それがV字形からやがて葉の左右のくっつくほどになります。つまりハートを中央から折った形になります。それがハートの半分(片側)が食べられてしまったように見えることから「片喰」という名が付いたのです。
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晴天続きのせいでしょうか、葉が閉じてしまいそうになっています。

「喰む(はむ)」という表現はあまり見かけないと思いますが、「牛が草を喰む(牛が草を食べる)」という言い方をしますし、昔話に出てくる大蛇は「ウワバミ」で、これは「大喰む(オオバム)=体が大きくて噛むもの」が変化したものです。競走馬などの口に「ハミ」を入れて手綱をつけますが、この「ハミ」も「喰み」です。マンガの擬音(オノマトペ)の一つに、大きな口を開けて何かを食べたり噛みついた際に「ハム」と表現したりしますが、これも「喰む」からきているように思われます。

今でも和服などで家紋が使われます。その中にハートの形をしているものがありますが、それは「ハート」ではなく「カタバミ」です。片喰紋は5大家紋の一つと言われるほどに人気があるのです。別にハートの形だから人気があるのではないのです。カタバミはやっかいな雑草で、地表に出ている部分を引っ張っても上だけが千切れてしまい根が残ってしまうので、また生えてきます。これが子孫繁栄の象徴だと武士の目に留まったのです。駆除されても根絶できないということは、お家が続く=家名(子孫)が残るという意味になります。これは縁起のいい植物だということになり、家紋に使われるようになったのです。

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