カテゴリ: 春
ホトケノザ/春の七草は適当に決めた
ムスカリ/春の匂い
ムスカリは学名(科名)の「muscari」からきています。そしてこの「muscari」とは「muscus(ムスク:麝香)」のことです。この名前になったのは花の香りがムスクと似ているというのが理由ですが、残念なことに日本に生えているムスカリにはその香りがありません。種類が違うのです。そして、その匂いのいいムスカリは日本だとうまく育たないそうです。これまた残念ですね。
一見してヒヤシンス(風信子)と似ている感じがしますが、それもそのはずで属は違いますが両者とも同じキジカクシ科です。それもあってムスカリは「ブドウヒヤシンス」「グレープヒヤシンス」と呼ばれることもあります。
春になるとプランターなどで栽培しているご家庭も見かけますが、すでに帰化していますので道端でも生えてきます。私の周囲だと国道沿いの緑地帯で咲いています。こんな植物までも日本に帰化しているとはちょっとびっくりです。
2018年の夏は記録的な猛暑でした。そのせいでしょうか、翌年の春はわずかしか見かけませんでした。2020年の今年はどうでしょうか。
ハコベ/謎多き春の花
ハコベ/在来種/ナデシコ科ハコベ属
ハコベは春の七草ではハコベラとも呼ばれます。春になるとあちこちで見かけますが、実は謎だらけの植物なのです。だから名前の由来もよく分かりません。
さて次の説ですが、ちょっと複雑なんです。参考にしたサイトが消えてしまったので、おぼろげな記憶を元に書いてみます。
神様へのお供物は「神饌(しんせん)」と言いますが、「幣帛(へいはく)」とも呼ぶそうです。お米やお酒、農産物などや海産物のような食べ物を供えることが多いのですが、昔は布も供物として供えられました。それが「幣(ぬさ)」です。また、それも「幣帛」と呼びます。「幣」は麻、「帛」は絹という記述もありますし、絹も麻も「幣」と呼ぶ場合もあり、複雑です。
この「幣帛(へいはく)」を逆にすれば「はくへい」になり、これが「ハコベ」の語源のように思えますが、これも違っているようです。
次に「幣」が入っている神社関連の言葉を挙げます。
・和幣(にぎて):神前にささげる麻や楮(こうぞ=和紙の原料)で織った布。
・御幣(ごへい):しめ縄や竹の先に、白い紙を稲妻形に折って左右対象に八の字の形にして付けたもの。お祓いに使う時にはもっとたくさんの御幣を棒の先につけます。今は紙ですが前述した「和幣」のように、以前は布だったようです。
長くなりましたが結論です。この「幣(へい)」が「白い幣」になり「ハクヘイ→ハコベ」となったということです。ちょっと強引のような気もしますけど。「幣」のイメージは「麻」と「布や紙」ですね。布や紙は植物の繊維でできています。そして布は繊維を糸にしてから織りあげます。さて、下の写真を見てください。