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ホトケノザ(仏の座)/シソ科/オドリコソウ属
在来種 越年草 花期は3〜6月 10〜30cm 別名サンガイソウ(三階草)

さて、今回は「ホトケノザ」に関して世間で言われていることをちょっと深掘りしてみます。正しいかどうかは保証できませんが。

名前の由来は、向かい合って付いている半円形の葉が、仏様が座っている台座の形に見えるからです。「あれ?仏様は蓮華座(れんげざ)だよね?蓮の花には見えないけど」と思った方、その直感を大切にしてください。素直に見れば蓮の花(蓮華)には見えませんよね。実は仏様の座っている台座にはいろいろな種類があるのです。「ホトケノザ」の形は如来や菩薩が使用する「蓮華座」ではなく、天(吉祥天など)が使う荷葉座(かしゅうざ)という蓮の葉の形をした台座に似ています。如来も吉祥天も「ホトケ」ですから、どっちの台座も「ホトケノザ」です。

春の七草は「せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ」ですが、この「ほとけのざ」は「タビラコ(田平子/キク科)」だと言われています。田んぼの近くで葉っぱを広げている姿が仏の座に見えるからです。イメージとしては同じキク科のタンポポが近いですね。なぜこんな間違いが起こるのかというと、当時は「タビラコ」を「ホトケノザ」と呼んでいたからでしょう。では「ホトケノザ」はなんと呼ばれていたのでしょうか。冒頭にも書きましたが、「サンガイソウ(三階草)」ですね。「ホトケノザ」は葉っぱが向かい合って付いていて、葉同士の間が離れていますから、それを下から一階、二階、三階と数えたのでしょう。実際は三階以上あったりしますけどね。
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春の七草に対して秋の七草があります。「はぎ、ききょう、くず、おみなえし、ふじばかも、おばな、なでしこ」ですね。秋の七草は平安時代の万葉集に登場します。では春の七草はいつ登場したかというと、これがはっきりとはしないんです。鎌倉時代あたりから始まって、七草の種類も入れ替わったりします。今の七草になったのは江戸時代だと言われています。

1月7日には七草粥を食べるということになっていますが、この風習ができたのが平安時代より後のようなんです。もともとは春の植物を入れたお粥を食べることで悪い病気にかからないように願うという宗教的な行事だったのですが、それを秋の七草に対抗するように春の七草としてしまったので、どうしても7種揃えなければならないということになってしまいました。ちょっと考えてみてください。今の1月7日は新暦ですが、これを旧暦に直すと現在の2月の初め頃になります。2月はまだ冬です。そんな季節に植物がたくさん生えているでしょうか?現在はビニールハウスなどで七草を栽培していますが、昔にそんなものはありません。すぐ上に「種類も入れ替わったり」と書いたのは、こういった事情があったからです。結局、その時期に江戸で手に入る植物で「春の七草」を決めてしまいました。そんなこと決められても東北や北海道ではまだ雪は積もったままで、植物はほとんど見当たりません。では地方で七草粥ができないかというとそうでもなく、「種類を入れ替え」て対応するということになります。

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